入浴後すぐにスキンケアは必要?お風呂上がりの乾燥対策と保湿タイミングの正解
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入浴後すぐにスキンケアは必要?お風呂上がりの乾燥対策と保湿タイミングの正解

入浴後は、「すぐに保湿」という話を聞いたことがありませんか?あるいは、入浴後にスキンケアまで時間が空いてしまい、肌がつっぱるような感覚を覚えたことがないでしょうか。そこには肌の仕組みに基づいた理由が存在しています。

研究が示す「湯上がり乾燥」のメカニズム

日本健康開発財団による研究※1では、入浴直後には角質層の水分量が一時的に増加するものの、入浴後10分を過ぎると入浴前と同じ水準に戻り、30分後にはむしろ乾燥が進んでしまうことが報告されています。つまり「お風呂上がりにしっとりしている」という感覚は一時的なもので、放っておけば肌は急速に水分を失い、乾燥状態へと傾いてしまうのです。

つまり、入浴後10分以内の保湿ケアが極めて重要だということが、この研究から分かります。肌が潤いを保てる時間は限られており、その “ゴールデンタイム”を逃してしまうと、バリア機能の低下やつっぱり感、さらに将来的な肌のゆらぎにつながりかねません。

逆に言えば、この限られた時間に適切なケアを行うことこそが、健やかな肌を支える第一歩になるのです。

入浴がもたらす二面性


入浴は、血流を促進し体を温め、心身をリラックスさせる大切な生活習慣です。日本では古くから「湯治」という文化があり、温泉で体を癒やす知恵が受け継がれてきました。

しかし、その一方で入浴によって皮脂や天然保湿因子(NMF)が一時的に流出し、角質層の保水力が低下するという現実もあります。湯上がりに肌が乾燥しやすいのは、この構造的な理由によるものです。

特に秋から冬にかけては空気が乾燥し、室内の暖房によって湿度がさらに下がります。気持ちよく温まったあとほど、肌は水分を奪われやすい状態にあると言え、お風呂から出て時間を置けば置くほど、肌の水分量は低下し、気づいた時にはつっぱりやかさつきに悩まされることになってしまうのです。

10分以内の行動が未来の肌を左右する

「お風呂上がりにすぐに保湿を」という言葉は、決して大げさな注意喚起ではありませんが、保湿を意識し過ぎて、入浴直後にバタバタとするのは心身のリラックス効果に悪影響を及ぼしたり、入浴が面倒になりかねません。

入浴後10分以内を目安に、ゆったりとした気持ちを保ちながら肌に水分を届け(補水)、守る(保湿)ようにすることが、肌を整えていくための現実的で前向きなアプローチと言えるでしょう。

スキンケアの基本発想「補水ファースト」

ここで注目したいのが「補水ファースト」という考え方です。スキンケアというと「保湿」が注目されがちですが、入浴直後は一時的に角質層の水分量が増えるものの、その水分は急速に失われていきます。つまり、一見うるおっているように感じても、そのままでは長続きしません。

まずは水分をしっかり届け、角質層に潤いを与えることが最優先。そのうえで、乳液などによって水分を抱え込み、肌をなめらかに整える。これが「補水→保湿」というシンプルな順序です。

この発想は一見当たり前のようですが、実際には見落とされやすいポイントです。年齢を重ねるにつれて、クリームよりもローションの方が肌の水分保持に効果的という研究結果もあり、化粧水による“補水”は1004 SEN[C]が大切に考えている部分でもあります。

入浴後のスキンケアルーティン


タオルでこすらずに、軽く水気を拭き取ったら、まずは化粧水を手に取り、肌に押し込むようになじませる。角質層がまだ水分を抱えやすい状態にあるうちに、できるだけ素早く補水を行います。その後に乳液で保湿し、水分を逃がさないように整える。これだけで入浴後の乾燥を大きく防ぐことができます。

肌の状態や季節によって重ねづけの回数を調整することも効果的です。乾燥が強い冬場には化粧水を数回に分けてなじませ、乳液でしっかりフタをする。逆に湿度の高い季節には、蓋をする乳液を薄付きにしても大丈夫な場合もあります。こうした微調整は、日々の肌と向き合う時間を豊かにし、スキンケアを“作業”から“対話”へと変えてくれるでしょう。

入浴や洗顔後のたった10分。この時間をどう過ごすかが、肌の調子や印象を左右します。肌は毎日の選択と習慣によってつくられていくもの。乾燥に悩む肌も、外的ストレスにゆらぎやすい肌も、まずは水分を届けることから。そのうえで抱え込み、なめらかに整える。シンプルだけれど揺るぎない順序が、肌を守り、整えてくれるでしょう。


※1 早坂信哉, 後藤康彰, 栗原茂夫. 「入浴後皮膚乾燥と入浴中塗布化粧品の保湿効果」『日本健康開発雑誌』, 第39巻, pp.1–5, 2018年.