ほっと一息つけるときのパートナー
コラム

ほっと一息つけるときのパートナー

1日の中でほっと一息つく瞬間は、私にとってちょっとした贅沢な時間。お気に入りのホーローのケトルでお湯を沸かして、ハンドドリップで淹れたコーヒーをこれもまたお気に入りのカップに入れて飲むのが、最近の贅沢な時間の過ごし方。

大好きなコーヒーの香りに包まれながら、頭の中を空っぽにできるひと時は、何とも言えない心地よさがある。

■仕事時間の相棒からラッキーな存在へ



20代の頃、朝のスイッチを入れるのは1杯のブラックコーヒーだった。目覚ましにもなるが、湯気とともに立つコーヒーの華やかな香りが「今日も頑張ろう!」と背中を押してくれるような気がしていた。その頃は、朝に限らず仕事の合間にもコーヒーを飲み続けていて、相棒のように1日中手放せない存在だった。

ところが、生活スタイルが変わると相棒との付き合い方も変わる。30代になった今では、朝にコーヒーを飲む余裕はほとんど持てず、常に時計を気にしながら、仕事・家事・育児を慌ただしくこなしている。好きな時に好きなだけ飲んでいたコーヒーと向き合う時間もなく1日中フル回転で動き回って、ほっと一息つけるのは子供たちが寝静まった夜遅くだったりすることも少なくない。

バタバタとした日々を過ごしているからこそ、早めに用事が片付き、ゆっくりとコーヒータイムを持てた時には「今日はラッキーな日だな」と思うようになった。

■些細な一杯が気付かせてくれたこと





先日、嬉しい出来事があった。一息ついたタイミングで、夫がコーヒーを淹れてくれたのだ。差し出す時に「今日も一日お疲れ様」という一言を添えて。何気ない“お疲れ様の一杯”。自分と同じ豆、同じ器具を使って、夫が淹れてくれたコーヒーはいつもより優しい味に感じて、この日の疲れを癒してくれた。

「美味しいね」と一緒に味わえる人がいる。その温もりや価値に気付かせてくれるのは、ほんの些細な一杯のコーヒーだったりするのかもしれない。

あなたにとって、日々の生活の中で大事なものに気付かせてくれる存在はありますか?コーヒーに限らず、そんな存在があれば、明日を生きる活力になるのではないでしょうか。

(1004 SEN[C]ブランドマネージャー 市川祥子)