冬になると肌が乾きやすく、全体の印象がどこか重く感じられる──そんな変化を実感する人は少なくありません。気温や湿度の低下が主な要因として挙げられますが、実はもうひとつ、冬特有の環境変化があります。それが“光の量”です。

私たちの体と肌は、日中に受け取る光の働きによってリズムを整えています。しかし冬は、この光を受け取る機会が少なくなり、肌の状態に変化が生まれやすい季節だと研究で示されています。一方で、冬でも紫外線は一定量が地表に届き続けるため、「光を受け取る時間は短いのに、紫外線の影響は続く」という状況が起きています。

光を受け取る量が減る冬の肌

冬は、日中に光を受け取る時間や量が減りやすい季節です。光は、体内のリズムを調整する働きのひとつであり、肌もその影響を受けています。

皮膚にもサーカディアンリズム（概日リズム）が存在し、昼はバリア機能が高まり、夜は細胞の修復やターンオーバーが進むなど、“肌の時間の進み方”には一定のリズムがあります。光の働きを受け取る機会が減ったり、体全体のリズムが乱れたりすると、ターンオーバーが緩やかになることや、角質が硬くなりやすくなることが報告されています。

角質が硬くなると水分を抱えにくくなり、乾燥しやすくなるだけでなく、光の反射が乱れてくすみの原因にもつながります。冬に「透明感が落ちる」「肌がごわつく」と感じやすい背景には、低温や乾燥だけではなく、光を受け取る時間が減ることで肌のリズムが安定しにくくなるという側面があるのです。

紫外線は冬も届いている

光を受け取る時間が減る冬ですが、その一方で紫外線、特にUVAは冬でも一定量が地表に届き続けます。

紫外線には種類があり、季節差が大きいのはUVBと比べ、肌の奥に届きやすいUVAは季節による変動が小さいという違いがあります。

つまり冬は、

• 肌が乾燥しやすい
• 光を受け取る時間や量が減る
• UVAは受け続ける

という要因が重なる季節です。

乾燥で角質の水分が低下した状態では、バリア機能が不安定になり、紫外線の影響を受けやすくなることがあります。冬は夏のような紫外線の強さはありませんが、冬でも日焼け止めを塗るのがベター。

肌が乾燥しやすくバリア機能がゆらぎやすい冬は、日焼け止めが負担に感じられたり、肌表面のつっぱりにつながることもあります。そのため、伸びがよく軽い使い心地のアイテムを、薄くでも毎日使うことで、肌を安定させやすくなります。

冬こそ“補水ファースト”

そして冬は、乾燥によって角質がゆらぎやすくなる季節でもあります。乾いた角質は外からの影響を受けやすく、冬に残るUVAの影響も感じやすい状態になりがちです。朝晩のしかりとした補水で、角質をしなやかに整えておくことが、冬の肌を穏やかに保つための土台になってきます。

1004 SEN[C]では、保湿の前の補水を大切に考え、「補水ファースト」というキーワードで肌にしっかりと水分を与えることをお伝えしています。角質がふっくら整うことで、紫外線や乾燥といた外的要因に対してしなやかになるほか、ライトを均一に反射しやすくなりツヤや透明感のアップに繋がっていきます。

■夏と冬のスキンケアの違い

	補水・保湿	日焼け止め
夏	補水はしっかり、保湿はほどほどでも可。日焼け後は特にしっかり補水を	しっかりと塗る。頻繁に塗り直す。
冬	補水・保湿ともにしっかりと。乾燥を感じたら、頻繁に補水を。	薄く塗ってOK。塗り忘れないのが重要。

ちなみに、光不足による肌への影響は、梅雨のように曇りが続く季節にも、似た状況が生まれます。梅雨は湿度が高いため、乾燥しやすい冬とは肌の状態が異なりますが、光を受け取る時間の少なさが肌のリズムに影響するという点は共通しており、季節を問わず光との向き合い方が大切だと言えそうです。

【関連記事】
・なぜ、1004 SEN[C]の製品は化粧水がいちばん多いのか？
・秋冬の乾燥対策｜肌に最適な湿度とスキンケア方法